わたしの山日記
 
北アルプス百名山
剣岳登頂記
2004.8.19〜8.22 夜行2泊3日
◆報告者:猪野 和彦(大和村)
とても感動的だった剣岳登頂の3日間の記録を綴ります。
◆8月19日(金)〜20(土)
20:40定刻に乗車。台風15号の余韻の残る北陸道を経て富山へ向かう。日本海を北上している台風15号と鉢合わせ状態。立山駅に到着したのは、早朝4時半頃。アルペンルートのケーブルカー、高原バスを乗り継いで室堂に到着する。
雨のため雨具を着けて、全員自己紹介を済ませた後、一行9名のメンバーは一路剣山荘に向かう。
雷鳥沢では、雷鳥が見ることが出来るかと密かに期待したが空振り。雷鳥坂の辛い登りを経て剣御前で休憩、剣山荘についたのは11:50頃だった。

山小屋は週末で混雑していたが、ラッキーにも9名で一部屋を使うことになり、何となくホッとする。雨具の乾燥等をそそくさと済ませ、早速酒盛り。室堂の名水で割る麦焼酎の味は格別で、あっという間にすべてを飲み干してしまった。でも頭の中は明日の登頂のことで飽和状態。アルコールの力を借りてもなかなか寝付けなかった。。。。

◆8月21日(日)
緊張と周囲にいびきの大合唱で、ほとんど眠れないまま朝を迎える。4時起床するも、ボーとしている間にパーティーの皆さんはベテランぞろいか、身支度も早い。あっという間に準備を完了している姿を見て大慌て。何とか4時45分の出発に間に合わせた。
ヘッドランプを点けて、いよいよ目指すは剣岳山頂。これから登る先を見あげると、早発ちの人々のヘッドランプが一服剣に綺麗に列をなし、神秘的な雰囲気をかもし出している。神の山そのもとといった感じだ。

一服剣の途中での朝焼け(ご来光は拝めず)は素晴らしかった!(第一の感動)。
行く手は残念なことにガスっている。山頂はまだ見えないが、霞んでいる向こうには何やら巨大な岩峰が聳え立っているようだ。「あの山が剣岳だ」と願うが、残念そこは前剣。いったいいつなったら頂上なのか。圧巻の岩場の急登を前に緊張のボルテージが上がる一方で、頭はパニック状態。ひたすらリーダーを信じて登るがなんとも険しい山だ。
第一の難所(剣はすべてが難所である)前剣の鎖場をなんとかクリアする。続いて第二の難所、平蔵のコルの橋渡り。僅か数メートルのところだが、両側が絶壁で手すりも無い。しかも強風が吹き抜けている。飛ばされそうで危険極まりない場所だ。先に渡った女性陣6名を恨めしく思いつつ、どう渡るか足がすくんでいる。誰も精一杯で頼れるのは自分だけ。しばし考えて覚悟を決め挑戦。成功はしたが「マジに死ぬかと思った」。今考えてもぞっとする難所で、どこよりもここが怖かった。
いよいよ登り最後となる第三の難所「カニのタテバイ」への挑戦。一枚岩をほぼ垂直に登るが、ここは緊張しつつも、手前で学習していたのでなんなくクリアする。
さらに単調な急登を経て8時10分ついに頂上2998mに到達。自己記録の更新に第二の感動に浸る。期待した360度のパノラマは残念ながら拝めず。ここで愛するカミさんと2ショットを写してもらう。これは貴重な思い出の写真となりそうだ。
15分程度の休憩の後、いよいよ下山。少し下りるといきなり「カニのヨコバイ」にさしかかる。何故か突然の渋滞で動かない。おそらく40分ぐらいはまたされたと思うが、時間がかかるのも理解できた。リーダーの指示に従いさあ挑戦。期待感と恐怖感はここでも頂点に達している。またまた意を決して鎖をつかむが、最初の一歩がなかなか出ない。足の下は何も見えないし、見てもいけない。必死に足場を探りつつカニのごとく渡るが、次の長い梯子とあわせて完全に足はすくんでいた。全員が無事クリアはしたが、難所は無数に待ち受けている。
「下りも気を抜かないように」とリーダーから一言。緊張感と恐怖感が続く長い長い下山だ。途中、前剣周辺で雷鳥と出会う。生まれて初めて見る雷鳥に三度目の感動!。雷鳥は大変臆病と聞いていたが、人なれしているのか、じっくりと観察できたことは、とてもラッキーであった。
下りと登りを繰り返し一服剣まできてやっと一安心。ここまでくれば安心とばかりに、緊張をわずかに緩めて、12:15に剣山荘到着。気がつけば両腕はパンパンに張っていて、厳しかった山行を身体が証明していた。
◆8月22日(月)
4時35分に剣山荘を出発。足取りも軽く8時5分には室堂に到着。アルペンルートを富山に下り、岐路につく。途中、越中宮崎温泉に立ち寄り、日本海を眺めながら温泉に入浴し、生ビールで乾杯!。昼食の日本海直送の「たら汁」、「海鮮丼」も格別であった。

家には17時30分に到着。ラブラドールの愛犬トミーの出迎えが、いつになく新鮮に感じられ、感動の3日間が終わった。

リーダーの戸頃さんをはじめとして、3日間お付き合いいただいた皆様大変お世話になりました。初めて本格的な登山に挑戦しましたが、お蔭様で何事も無く登頂できたばかりでなく、たくさんお想い出を土産にすることができました。ありがとう。。。《終》