わたしの山日記
 
北海道花の山旅
後方羊蹄山とアポイ岳
2005.6.29(水)〜7.1(金) 2泊3日

◆投稿者:宍戸 幹直
現在では羊蹄山(ようていざん)と略称でよばれているが、正確には後方羊蹄山で「しりべしやま」と読むそうだが、この読み方にはただただ感心するのみである。美しいコニーデ型の死火山で、蝦夷富士と呼ばれるだけあって、麓から眺める山容は感動的であった。また、山頂付近のお花畑には沢山の高山植物が咲き誇っている。山頂からの眺望もすばらしい。東には大雪・十勝連峰、日高山脈の山々、北海道の屋根と言われている山々が連なっている。南に目をやると眼下に美しい洞爺湖、そして昭和新山、有珠山があり、内浦湾が広がっている。一箇所に居ながらにして、太平洋と日本海、そして山と湖を見ることができる。
また、アポイ岳は花の百名山に選ばれているだけあって沢山の高山植物が咲いており、ここでしか見ることができない花も多い。海に近く、美しい海岸線を見ながらの山行はいつもの山旅とは違った楽しみがあった。
◆6月29日(水)
予定の9時を約20分遅れて、羽田を飛びたったANA55便は千歳空港に10時45分に着く。東京は雨模様であったが、北海道は晴れ渡っている。今日は移動日なので途中寄り道をしながらホテルに入る予定だ。まずは、支笏湖に立ち寄る。美しい湖だ。水深363Mと田沢湖に次ぎ日本第2位の深さがある。12時をまわっていたので、カニ、イクラ、サケの三色弁当をいただく。北海道の海の幸は素晴らしい。湖面を渡ってくる風が清々しい。空の色も綺麗だ。対岸の恵庭岳の緑は深い。贅沢な一時を過ごす。
一時間程ゆっくりし、再び北の大地を走る。しばらくすると後方羊蹄山の姿が見えてきた。蝦夷富士の名にふさわしく、平野にそびえ立つ単独峰はすばらしい山容を見せてくれた。谷間にある雪の白さと濃い緑のコントラストが美しい。しばし、車を止めてシャッターを押す。牧場の牛を前景に入れようかと思ったが、恐くて近づけない。明日の登山の期待を胸に再び快調に走り出す。宿泊先の富士観光ホテルには15時30分に着き、源泉掛け流しの温泉でゆっくりした。時間があることでお酒を酌み交わしながら山談義に花を咲かせる。18時夕食。美味しいご馳走で明日の鋭気を養う。明日は早い。19時には床に入り深い眠りに入る。
◆6月30日(木)
午前2時を少しまわったところで目を覚ます。よく寝た。朝食のオニギリ弁当を持ち、午前3時30分ホテルを出発。外はまだ薄暗い。15分ほどで倶知安登山口に着く。ここの標高は350mだから山頂までの標高差は1550mある。

3時50分スタート。
明るくなってきた。今日も晴天に恵まれそうだ。大木の樹林帯の中に歩進めてゆく。静寂な空気の中に鹿の鳴き声が聞こえる。恋人を探しているのだろうか。

なだらかな道は束の間で急坂のつづら折となる。歩き出して40分くらいで視界が開け、倶知安の町並みが見えてきた。町の周囲には田園風景が広がっている。その先には積丹半島と日本海も見える。

4時45分、二合目(標高600m)で5分間休憩。木々の葉を渡ってくる風が涼しい。
標高1000mあたりからマイズルソウやエンレイソウの美しい花たちが顔を出す。小鳥も囀っているが名前はわからない。

6時30分、六合目(標高1200m)で15分間ゆっくりし、朝食のオニギリを頬張る。近くの木ではウグイスが鳴いている。再び歩きだすと登山道の両側にはゴゼンタチバナ、ウコンウツギ、シラネアオイ、カラマツソウ等が咲いている。

7時50分、八合目で小休止。ナナカマドの白い花が美しい。九合目(標高1700m)周辺は高山植物の群生地帯で沢山の花が咲いている。ハクサンチドリ、ハクサンフウロ、オダマキ、イワベンケイ、イワハタザオ等で、特にシラネアオイの群生はすごい。イワブクロももうすぐ咲きそうだ。

8時35分、お釜分岐に着くと、十勝連峰、トムラウシ山等遠くの山々が見えてきた。素晴らしい眺めだ。母釜と大きな父釜のがあり、お釜の中には雪が残っている。山頂は父釜の対岸にあり、ここから山頂まで間にも沢山の高山植物が咲いている。

イワウメ、ツガザクラ、キバナシャクナゲ、メアカンキンバイ、ミツバツチグリ等かわいい花を存分に見ることができた。良く似ている花があり、親切な地元の登山者が説明してくれた。遠くの景色と足元の花を見るのが忙しい。
9時5分、山頂(標高1898m)に着く。今まで隠れていた南方に目をやると、眼下に洞爺湖、昭和新山、有珠山、そして内浦湾が広がっている。360度展望できる素晴らしい景色だ。山頂の気温は15℃くらいでじっとしていては寒いくらいだ。日当たりの良いところで食事をしながらゆっくりする。
9時40分、惜しみながらも山頂ともお別れする。
13時30分、途中3回休憩し登山口に無事下山する。歩行数は28,801歩。標高差1500mを超す登り、下りで足はガクガクだ。夕張市にあるホテルマウントレースイには16時40分に着く。新しいホテルで、早速温泉に入り、疲れた足を揉みほぐす。まだ明るい18時夕食。。バイキング方式で特産の夕張メロンをはじめ、海の幸、山の幸が沢山並べられている。少々食べ過ぎた。今日も19時には床につき、深い眠りに入る。
◆7月 1日(金)
午前3時に目を覚ます。4時におにぎり弁当を持ってホテルを出発する。夕張岳に向うが登山口近くの林道が土砂崩れで、通行ができない。急遽花の百名山である日高山脈のアポイ岳に変更し、日高に向う。

午前8時20分、アポイ岳ビジターセンターに着く。アポイ岳は標高811mと低山であるが、海の近くから登ることから標高差は約800mあり、簡単な山ではない。低山でありながら高山植物が多いのは海霧や強風の影響を受けた寒冷気候であることと、やせた土地である為だそうだ。
8時40分、登山スタート。砂利道を歩くとすぐに登山届けの箱があり、沢を渡ると、王子製紙社有林の大きな看板がある。この先が本格的な登山道で林の中に歩を進めると、3頭のエゾシカがのんびり食事をしている。すぐに沢があり、備え付きのタワシで靴底の種を洗いながす。外来植物の種を持ち込まないようにしているらしい。

登山道にはわずかに木漏れ日が差し込んでいる。清々しい空気が漂う。今日も晴天に恵まれた。

9時50分、五合目の休憩小屋に着く。視界が開け、山頂が見えてきた。エゾコウゾリナ、タカネウスユキソウがかわいい花を咲かせている。急登は続く。六合目を過ぎると太平洋が見えてきた。青い空と青い海、そして海岸線がどこまでも続いている。足元にはアポイアズマギク、キンロバイが咲いている。

10時20分、七合目で小休止。このあたりから色とりどり花が多くなる。ヒオウギアヤメ、チシマフウロ、タカネバラ、アポイヤマブキショウマ等目にも鮮やかだ。九合目を過ぎると低木の林へと入っていく。

11時15分、山頂に着く。ダケカンバ等の林に囲まれ、展望はきかない。食事をしながら20分程休んで下山する。

七合目までくると地元の小学生が先生に引率されて登ってきた。気をつけて下山してくださいと励ましの言葉をもらったが、いくつにみられたか複雑な気持ちであった。
13時45分に登山口に着く。ここからは海岸線の道路を走り、千歳空港へ向う。競走馬の牧場がいくつもある。途中、門別温泉で汗を流す。湯上りのビールは格別だ。三日間とも晴天に恵まれ、楽しい山旅でした。
美しい花も沢山見ました。我が家には日付が変わる少し前に着く。(終)