わたしの旅日記
 
とことん旅した
アラスカ旅行記
2005.9.5(月)〜9.15(日) 10泊11日

◆投稿者:新田 順子様

戸頃さんの「アラスカはすーばらしいですよー」の一言にひかれ、「アラスカまで何しに行くの?」と半ば呆れ顔の家族に見送られ、はるばる北極圏まで行ってきました。戸頃さんの言葉に嘘、偽りはありませんでした。とにかく”すごい!!“としか表現できません。この感動をうまくお伝えできるでしょうか?

◆9月 5日(月)

写真で見たオーロラ、アラスカの景色に胸おどらせ、PM3:40機上の人となる。

日付変更線を越え午前8:10(現地時間)、8時間30分のフライトで、あのイチロー選手が活躍するシアトルマリナーズの本拠地シアトルに着く。4時間の乗り継ぎ待ちの後、尾翼にエスキモーの顔が描かれたアラスカ航空機に乗り換え、再び飛ぶこと3時間。午後3時(現地時間)アンカレッジに到着。

空港からダウンタウンまで10Kmの道にはナナカマドが植えられている。ひとつひとつの実がとても大きく、ぼってりと房になっているので遠くから見るとりんごがなっているように見える。ホテルに荷物を置き、早速街に繰り出す。 アンカレッジの人口は27万人。アラスカ州の全人口の4割以上がここで暮らしているのだがそのわりには、通りを歩いている人が少ないと感じた。

街路には色とりどりの花が植えられ、大きなハンギングバスケットからも美しい花々が咲きこぼれている。ペチュニア、インパチェンス、ベゴニア、ホクシャ等夏の花々で、日本で見るのより花が大きく色も鮮やかだ。“ここは本当に北緯61度?“と首をかしげた。

平均気温の最低が−14度。最高は18度だが夏には30度を越えることもしばしばで巨大な蚊が大量発生するので夏、アラスカを訪れる時は虫除けスプレーが必需品とのこと。

日本食レストラン熊五郎で“明日からの旅の安全を祈って乾杯!”。午後9時を過ぎても明るく、食後はそぞろ歩きとショッピングを楽しむ。ベニヤ板に実物大のグリズリーを描き顔の部分をくりぬいたもの(観光地でよく見かける)が歩道に設置されており、Sさんは早速熊に“へーんしん”。

◆9月 6日(火)

時差ボケもなく全員元気に行動開始。今日からキャンピングカーと大型バンで行動するため、ミッド・ナイト・サン旅行社の西山さん(愛称よっちゃん)が運転手兼ガイドとして加わる。35歳の彼は父上の仕事の関係で4歳から当地で暮らしており、英語も日本語も完璧の好青年。現地の事情にも明るく沢山のことを教わった。

←中央奥がよっちゃん
先ずは博物館でアラスカの太古の生活から近年にいたるまでの歴史の概要をざーっと学習。 実物、模型の展示が多く、英語がわからなくても十分楽しめた。一階はアラスカの風景を描いた絵画の展示室。これからの旅に思いを馳せる。

アウトドアの専門店“REI”で旅に備えて買い物。アウトドア・レジャーの本場だけに種類が豊富で見るだけでも十分楽しめた。レストラン”シー・ギャレイ“でシーフードの昼食をたらふく食べPM1:15タルキートナに向け出発。

途中ワシラのスーパーでキャンプに備え食料品等の買出し。現地の人々の買い物の様子を垣間見ることができ興味深かった。

降りしきる雨の中、パークス・ハイウエイティをひた走り、
PM5:30今宵の宿“ラティテュード62“(北緯62度の意)に到着。

陳列ケースの上の壁にムースの角が掛けられ、開拓時代を彷彿させる山小屋風のこのロッジは、かの偉大な冒険家“植村直己”が定宿としていたロッジ。植村氏の写真が飾られた部屋で大きなステーキやキングクラブに舌鼓を打つ。

“明日はマッキンレーが見えますように“と祈りながらベッドに入る。

◆9月 7日(火)
雨の音で目覚める。今日のハイライトは“セスナに乗ってマッキンレー山(6194m)上空を遊覧飛行。そして氷河の上に降り立つ”こと。「大丈夫かなあ?」。小止みになるが上空は厚い雨雲におおわれている。朝食後、町を散策し、天候の回復を待つ。
ダウンタウンは19世紀末から20世紀初頭の風情を残しており、ゴールドラッシュの時代を偲ばせる。中心部の24軒のうち15軒は歴史的建造物として国の指定をうけている。この町の人口は1000人。近代的な建物の学校もあり生徒数は100人とのこと。
タルキートナはマッキンレー山への登山基地となっており、夏には観光客で賑わうがシーズンも終わりに近いこの時期は閑散としており、あちこちの店でバーゲンセールをしていた。キャンピングカーでサンドイッチを作り屋外で昼食。時々部分的に青空がのぞくもののまだ雲は低い。近くのスシトナ河畔まで足をのばしたり、歴史博物館を見学したりとぎりぎりまで待つが、ついにタイムリミット。「もう4日も飛んでないんじゃ仕方ないか」。諦めて、乗るはずだったエア・タクシーの前で記念撮影し、PM3タルキートナを出発し北に向う。
所々で道路を横断している電線に赤いボールが付けてあるのを目にした。緊急時に飛行機が道路を滑走路として使用するための目印とのこと。日本では考えられない。道の両側は黄色く色づいた白樺と楊の林が延々と続く。黄色の中に針葉樹が混在しコントラストが実に美しい。
樹林がきれるとぱーっと視界が開け、真っ赤に紅葉した丈の低い草木に覆われた湿原が広がる。大小の湖沼、小川が点在し紅葉した原野の美しさを強調している。この湿原はツンドラで30cmも掘ると凍土が出てくるそうだ。360度広がる赤いじゅうたんのはるか彼方に冠雪の山々が見える。そして赤い大地を地平線まで続く道路。

“うーん、アラスカは広―い!凄い!”アラスカは6回目の戸頃さんも秋は初めてとか。「すーばらしいですねー」を連発し、盛んにシャッターをおしていた。

PM6デナリの麓のヒーリー村に着く。雨のためキャンプの予定を変更。デナリ・パークホテルに宿泊。

夕食は戸頃さんが腕をふるってくださる。とてもおいしかったです。
◆9月 8日(水)
今日も雨催い。AM8、ホテルを出発。レストランでフルーツたっぷりの朝食を摂りデナリ国立公園に向う。北米最高峰のマッキンレー(地元ではデナリ山と呼ぶ)を擁するこの公園の広さは600万エーカー。四国の面積に匹敵する。

AM10発のシャトルバスに乗り込みツアー開始。空は次第に明るくなり幸先が良い。
「人間は大自然にとって闖入者である」を基本理念とする自然保護地域で、一般車両は公園入り口から24Kmのサベージ・リバーまでしか入れないし、トレッキングの人数も厳しく制限されている。園内の標高は500〜1200m。森林限界を挟んでいるため北方針葉樹林帯タイガとアルパインツンドラの両方にまたがっており、変化に富んだ自然の姿が楽しめる。夏には広大なツンドラに650種にのぼる高山植物がいっせいに花を開き、37種の哺乳動物、130種の鳥類が生息しているといわれている。
樹林帯を抜けると視界が開け、眼下にツンドラの原野が広がる。長い年月、氷河によって侵食された幅広いU字谷を紅葉が埋め尽くし、きらきら光る幾筋もの小川が流れている。この頃には快晴となる。と、バスがストップ。路上に雷鳥が数羽。木の枝でも何か啄ばんでいる。腹部が白色に変色し始めている。冬仕度なのだろう。

バスはアップ、ダウンを繰り返しながら次第に高度を上げていく。また、ストップ。

乗客達が何か指さしている。その方向に視線をのばすと、遠くの川の土手をグリズリーがゆっくり歩いているのが小さく見える。興奮して、思わず「あっ、見えた」と大声を出し「しーっ」と注意されてしまった。今度は右手の崖の上。白いドール・シープの群れが・・・。

←白い点がドールシープ(山羊)
バスの運転手兼ガイドはちょっと肉付きのいい可愛いおねえさん。残念ながら説明が英語なのでさっぱり判らなかったが、動物はしっかり見られた。よかった、よかった。


←乗客は右に左に”右往左往”
カリブー(トナカイ)はオス、メスともに角を持つ唯一の鹿。枝角は3月に生え始めて8月には完全に成長し、12月には抜け落ちてしまう。
またムース(ヘラジカ)は鹿の仲間では最大の種類で、アラスカに生息するものは世界中のムースの中でも最大である。独特の巨大な手のひら状の角はオスだけにあり、毎年秋の終わりには落ちてしまう。大きいものは幅2
m、重さ30Kgにもなる。

休憩所にカリブーとムースの角が置いて

あったので手に取ってみたが、とても重く両手でやっとこさ持ち上げた。こんなに重い角をいつも頭に載せているのはさぞかし疲れることだろう。

快適なドライブを続けること、およそ100km。ストーニー・ヒルに到着。視界をさえぎるものはなにもない。正面に陽光に映えるデナリ山が青空を背景にくっきりと見える。

山の一部は水色を帯びている。クリスタル・ブルーとはあんな色のことだろうか?

デナリ山が見える確率は25%とか・・・。なんと運が良いことだろう。ストーニー・ヒルを下ったところでバスはUターン。デナリ山を振り返りつつ帰路につく。
少し眠気を催した頃、大きな虹が・・・。広大な平野の虹は大地の立ち上がり部分から見え、より一層大きく感じた。虹を透かして見える木々の色は幻想的であった。
そして坂道を下った橋の上から・・・・。目の前の川原で砂遊びをする大きなグリズリーを見た。“ぬいぐるみの中に人が入っているのでは?“と思うほど、何度も何度も立ち上がっては寝転がりを繰り返し、大サービスをしてくれた。グリズリーの興奮冷めやらぬうち、今度は至近距離の林の中に角突き合わす2頭のオスのムースを見る。自然の中で、こんなに間近に野生動物を見られるなんて・・・・。自然保護に尽力されている人々のおかげですね。

←なんと!こんな身近にグリズリーが

8時間のドライブであったが少しも退屈しなかった。チャンスがあれば次回はトレッキングをやってみたいものだ。PM7、ホテル着。今夜は戸頃さんがビーフ・ステーキを焼いてくださる。焼きかげんも丁度よくとても美味しかったです。ごちそうさまでした。

9時半をすぎても薄明るく、暮れなずむ西の空にくっきりと見えた針葉樹の黒い樹影がとても印象的であった。

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