わたしの山日記
 
屋久島
宮之浦岳と縄文杉
2006.5.23(火)〜26(金) 3泊4日

◆投稿者:島田 俊彦様
登ったぞー! 屋久島・宮之浦岳!
◆5月23日(火)
 羽田空港は早朝のためまだ業務は始まらず閑散としている。定刻に飛び立った飛行機は、到着予定時刻の5分前に鹿児島空港に着陸。待っていたバスで鹿児島港へ。外は小雨が降り、湿度も高く肌にべとつく感じが気持ち悪い。
 高速船トッピー号に乗り込む頃になって雨はいちだんと強くなってくる。桜島も、開聞岳も山頂は雨雲に覆われて見えない。揺れることもなく種子島へ寄稿した後、「ようこそ! 世界自然遺産の屋久島へ!」の歓迎の文字に迎えられて安房港に着岸。とたんに青空がのぞき始める。
 「環境文化センター村」で屋久島の自然環境についての展示物を見、また大型スクリーン一杯に広がる屋久島の迫力ある映像に圧倒されてホテルへ。
◆5月24日(水)
   この日は島内一周観光コースと、宮之浦岳登山コースに分かれて行動する。登山組は4:00にホテルを出発。「星が出ている!」「今日は晴れだ!」などと嬉しそうな声。
 登山口まで約1時間のドライブ。淀川登山口に着く頃には大分明るくなってきた。名も知らぬたくさんの野鳥の囀る樹林帯の中に登山道は延びている。太い根が階段状にはびこり、倒木を利用した階段が敷かれて歩き易い。サクラツツジが咲き、シャクナゲがたくさん蕾を着けている。
 登山口から淀川小屋へは50分程で着いた。ログハウス風の小屋で何人かの宿泊者が食事をしたり、出発の支度をしたりしている。ここで弁当のおにぎり食べる。
 小屋を出てすぐに橋を渡る。清冽な水の流れと朝の空気が清々しい。1時間ほど登ると少し視界が開け、左手の高盤岳(コウバンダケ1711M)の頂に巨岩が乗っているのが見える。スッパリと刃物で刻んだようにいくつにもきれいに割れている。(とうふ岩というそうだ)
 宮之浦岳と登山口との中間点を過ぎると、泥炭層でできた花之江河の湿原に出る。正面間近に黒味岳(1831M)が聳え、山頂の岩場に人が見える。
 黒味岳を左に見てぐるっと半周して投石平へ。大きな岩がゴロゴロと低い潅木の間に転がっているようで、ねっ転がって休むのに丁度良い具合。
 森林限界を抜けて、低い潅木とヤクシマダケ(ヤクザサ)に覆われた、巨岩の散在する登山道は、水の流れる岩盤の上を歩くことが多くなる。滑るようなことはない。
 安房岳(1847M)、翁岳(1860M)を右に見上げながら栗生岳(1867M)にさしかかる頃には、見えていた宮之浦岳の山頂は手前の山陰に隠れてしまう。
周辺の山肌を覆う笹の中の、ヤクシマシャクナゲが見せる濃いピンクの蕾や薄いピンクの花を愛で、辺りに散在する何ともいえない、思わず笑いを誘われるような奇岩に、疲れを忘れて自然に足が前に出ていく。
 約5時間半の登りで、遂に目指す宮之浦岳(1936M)の山頂に立つ。360度のへ遮るもののない眺望と絶景!。みんなの口から思わず歓声が上がった。ひとしきり記念写真を撮りあったり、展望を楽しんだ後の弁当がうまかった! 
登山口まで約4時間50分で下山する。
帰りは昼寝をおまけつき。
◆5月25日(木)
 今日は全員で「縄文杉」までを往復する。宮之浦岳の疲れが残っていて足の筋肉が痛い。身支度ができたところで、荒川登山口の掲示板の前で記念写真をし、トロッコ道に踏み入れる。
 小杉谷橋の先の小杉谷集落跡で朝食。付近には廃校になった小中学校跡があり、休憩舎には当時の様子を伝える写真などが掲示されている。集落跡には、昔の家の土台、風呂のタイル、竈の跡などが散在し、また校庭も草に埋もれ苔むしている。たとえ不自由な生活であったとしても、住み慣れた土地を離れていく寂しさ、閉校30周年を記念する桜の木の植樹に訪れて、荒れ果てはかっての学舎の跡に立った人たちの心の内を考えるとき、胸が締め付けられるような気持ちがして、そこに長く留まってはいられなかった。
 ここまでの軌道は枕木の上で歩きにくかったが、この先は線路の間に板を敷き詰めてあるので歩き易い。途中仁王杉を見る。
 大株歩道入口からいきなり急な登りになるが、すぐに緩やかになり、登り下りを繰り返しながら、翁杉、ウィルソン株、大王杉、夫婦杉と3千年前後の巨木を見ながら縄文杉の展望デッキに立つ。
 縄文杉は屋久島を代表する巨木で、日本固有の杉として世界最大を誇る。樹齢は科学的調査によると、空洞内部の最も古い箇所は2170年、他に1000年代の年代差の異なる木片があり、さらに部位によって木の硬度が異なる合体木とし、空洞部を加算しても3000年に満たない杉であるとされる。
 縄文杉の少し先にある東屋のまわりで昼食にする。
 間もなく帰路に就こうとする頃、ガサガサと音がして鹿が茂みの中から顔を出した。まわりにいた人たちが大騒ぎをしながらシャッターを切っても逃げようともしない。大きな目をしてこちらを眺めている姿は何とも愛らしい。奈良の鹿よりも半分以下の大きさしかない。島には天敵がいないので、大きくなる必要がないのだという話だ。
 予定の時間より早く下山できたのだ、少し寄り道をして「千尋の滝」へ。山肌に聳える巨大な岩盤の谷間を豪快に流れ落ちる様には圧倒される。
◆5月26日(金)
 今日は帰る日。外は雨。二日続きの山歩きで疲れて足も痛く、少し寝坊する。テレビをみていると、海上は波が荒く欠航になっている航路も出ているというアナウンスがあり、いささか心配になってくるが自然には逆らえず「マァいいか、帰れなければあと一晩泊まればいいさ」と腹をくくる。
 お土産屋で買物をしていると大きな雷が鳴り、雨の降り方も激しくなってきた。益々心配になってきたが、しばらくして「港に船が入ってきたから大丈夫」というお店の人の言葉にホッとする。
 鹿児島空港からの便は天候に遅れて離陸。それでもほぼ予定通り帰宅することができた。

←鹿児島空港で黒豚とんかつで栄養補給。
 なんと、九州は今日から梅雨入りでした。