わたしの山日記
 
日本百名山
南アルプス 塩見岳
2006.9.8(金)〜10(日) 夜行1泊2日

◆投稿者:小林 クニ子様
午前中にネイチャーツアーズさんから出発時間が1時間繰り下がるとの連絡がはいる。仕事を18時30分に終わる予定にしてあったが、いつも時間通りに終わったことがないのでほっと一安心。心おきなく準備ができそうだ。22時ごろ結城駅南にてバスに乗る。バスは小山に回って13名の山男・山女を乗せて一路信濃路へ。
◆9月 8日(金)〜9月 9日(土)

上信道から長野道、中央道とかなりの長旅である。高い位置にある高速道からは、沿線の街の明かりが宝石をちりばめたように見える。ちょっと眠ったらしい。外は薄明かり、もう5時になっていた。まだ目的地には着いていない。やがてくねくねとした細い鳥倉林道に入り、しばらく走って車でいっぱいの駐車場に着く。

身支度を整え、舗装された林道を歩く。40分で豊口登山口に着き、急な登山道を10分ほど登ると、カラマツ林の中に紫の花(ミソガワソウ?)が大群落している。紫の花の中に高く背を伸ばした白いサラシナショウマがゆらゆらゆれている様は、普段はあまり気にしない花々であるが、やはり目を引く。
登山口から三伏峠まで標高差800m、これを10等分して、3/10などと表示されているので、目安になってとても歩きやすい。所々木梯子がかかっているが、これが朽ちかけていたり、滑りやすかったりで、ちょっと緊張を強いられる。
休憩を挟みながら、4時間ほどで日本で一番高い三伏峠に着く。今日はここの小屋に宿泊。水は雨水に頼っているらしく、飲み水は市販の水であり、洗面に使う水も夕食後数時間しか使えない。到着後、皆が丸座になって、持って行った弁当を食べ、楽しい一時を過ごす。夕食もきれいに盛りつけてあって、とてもおいしい
7時過ぎには就寝。夜中に目を覚ますと、十七夜の月光が窓から入っている。明日はきっといい天気だろうと思いながらまた眠りに入った。
◆9月10日(日)
3時過ぎ起床、昨夜配られた弁当を半分だけ食べ、不必要な荷物は小屋に預け、4時前に出発。今日はかなりの長丁場、心を引き締めて歩き出す。
ライトをたよりに歩くのはとても歩きにくい。リーダーから段差があるから気をつけるようにと声がかかる。シラビソの葉がライトに照らされ、白く怪しく光る。「夜行塗料が塗ってあるようだ」という声も聞こえる。緩やかな登りになるころ、東の空があかね色に染まり出す。そして、そこに黒いシルエットで富士山が見えてきた
やっと夜が明け明るくなった頃、本谷山に着く。本谷山から続く尾根を何回かのアップダウンを緩やかに繰り返した後、コメツガの原生林の中のほぼ水平な道を快適に進む。やがて道が急になり、しばらくすると塩見小屋に着く。
ここでトイレを借りようとしたら、袋を200円で買ってくれとのこと。汚物はひとり一人袋に入れて始末し、ポリの箱に入れるのである。これからのトイレはこんな形態が多くなってくるのだろう。
小屋を境に森林限界になり、そこからは岩稜の世界である。天狗岩あたりから前衛の岩峰が挑戦的に迫ってくる。ある本に「精悍な風貌の男性的な山」と書いてあったが正にそんな感じの山である。落石に注意しながら登っていくとやがて塩見岳西峰につく。
ここに三角点があるが実際は東峰の方が高いのである。塩見岳とは海が見えるからとの説と山麓に湧く塩泉の源にそびえる山だからという説があるようだが、深田久哉は「海は見えない」と言い切っているそうだ。西峰で写真を撮り、東峰に移動、富士山はやっぱり大きい。
甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、間ノ岳、農鳥岳、荒川三山、遠く槍が岳や穂高岳、四方の山々がすべて見えている。
何時までもいても飽きない眺望である。リーダーが出発時間を2回も変更したほどある。予定時間より1時間以上も早かったが、遠くに怪しげな雲が出てきたので、これ以上はゆっくりできないと急いで降りることにした。
岩稜地帯を降りるのはいささか緊張したが、後は快適な山道である。朝のうちは暗くて分からなかったが、ウメバチソウやマツムシソウ、トリカブト、リンドウ等がけなげに咲いている。三伏山からは塩見岳がでっかく見える。三伏峠小屋で昼食をすませ、あと2時間あまり歩かなくてはならない。ちょっと嫌気がさしたが、仕方なく歩くことにする。ここからは結構急なのである。足はかなり疲れているから気をつけなくてはならない。

 

 

 15時45分、本日約12時間の山行は終了したのである。