わたしの山日記
 
念願の南アルプス
赤石岳と荒川三山縦走

2007.8.7(火)〜8.11(月) 2泊 3日

◆投稿者:島田 俊彦様
3000m級 6座を制覇す
 
赤石岳(3120.1m)
小赤石岳(3081m)
前岳(3068m)
中岳[魚無河内岳](3083.2m)
悪沢岳[東岳](3141m)
丸山[ダルマ山・悪沢の頭](3032m)
◆8月 7日(火)〜8日(水) 晴れ
参加者の皆さんには申し訳ないようだったが、桜川市の自宅前からバスに乗り込み常磐・首都高・東名と乗り継いで静岡市から畑薙第二ダムの先の駐車場へ。
夜通し走って午前2時頃に着く。
運転手さんにはハードなドライブだったと思う。


夜が明けるまでテントとバスの中で仮眠の時間をとったが
バスの中に蚊が入り込んで眠れない。
はやる気持ちを抑えきれずに、夜明けとともに起き出して出発の準備をする。
先日の台風で、この先の畑薙第一ダムとの間の道路が一部崩壊し復旧中なので畑薙第一ダムまで約20分歩くことに。
 
幸いなことに、ダムに着いて間もなく臨時の東海フォレストバスが来たので予定より1時間早く登山口のサワラ島ロッジへ行くことができた。
サワラ島からは多くの登山者は千枚小屋へ向かうが
我々は赤石小屋への道をとる
 
赤石岳登山口に出ると、いきなり急な鉄製の階段に出くわし
山道に入っても尾根に出るまで急斜面が続き、九十九折の道を登って行く。
1405mの尾根に出ても急登は続き、時折沢筋から吹き上げてくる涼風に助けられながら
ひたすら深い樹林帯の中の単調な、約6時間強のアルバイトを強いられる
 
2300m辺りから2,3ヶ所、穏やかな部分が出てきて赤石小屋に到着する
(8:05出発 14:20赤石小屋到着)
ヘリポート兼見晴台に上がってみると、南アルプス南部の盟主・赤石岳から悪沢岳・千枚岳へかけての山並みが一望
山ふところの大きさが実感として迫ってくる
◆8月 9日(木)  晴れ
4時には皆起き出して準備を始める
(4:30朝食 5:10出発)
 
上河内岳の山頂にはなだれ雲が懸かり赤石岳はモルゲンロートに輝いている
小屋を出るとすぐに急登、相変わらず樹林帯の中を40分ほどで富士見平。
富士山が雲海の上に大きく浮かび上がっている
次第にダケカンバの低木帯になり、ラクダの背といわれる東斜面の尾根を抜け北沢の源頭の急斜面を登る。
お花畑が広がり始め、白や黄色の花が一面に咲き競っている
行く手に赤石コル(サワラ島分岐点)が見え先発した人の姿が小さく見えている。
富士見平から3時間近い登りでコルに着きリュックを置いて赤石岳を往復する。
稜線上は風があって寒くフリースなどを重ね着して山頂へ向かう。山頂は360度の展望!!
 
北アルプスはいつも信州側から眺めていたので山名が逆になってしまって考え考え口にする始末。
戻って小赤石岳から小赤石の肩へ。
右も左も日本アルプスのほとんどが遠くまで見渡せる3000mの稜線が延々とどこまでも続く。
途中雷鳥の親子連れに出会う
雛がせわしなく動き回り親鳥が警戒して周囲を見廻している姿が微笑ましい
小赤石の肩・3030mからガレ場をジグザグに2699mの大聖寺平まで一気に下っていく登りだと相当きつそうですれ違う人の呼吸がかなり乱れている。
大聖寺平は広い砂礫帯で「ダマシの平」ともいわれているようだ。悪天候だと方角を見失いかねない。
行く手の尾根の中腹に山道が細いスジになって延び、その先にポツンと赤い屋根が見えてくる。荒川小屋だ。
 
昨日の赤石小屋よりも近くに水場があり太いパイプからたっぷりの冷たい水が流れ出ていて、身体を拭いたり汗臭いシャツを濯ぐことができて有難かった。
◆8月 10日(金) 晴れ
今朝も4:30朝食
こんなに早い起きぬけの時間でも結構食べられるものだ
外に出てみると朝焼けの富士山が金色に染まった雲海の上にその秀麗な姿を現している。
心を打たれしばし感動に浸る。
 
今回最大のコース、メインの悪沢岳へ向かう。
先ずは前岳へ。
低潅木帯を登り始めるとすぐにガレ場に入り
たくさんの種類の高山植物に目を奪われているうちにいつの間にか高度を稼ぎ、振り返ると下のほうに先ほど出立したばかりの荒川小屋が小さくなっている。
 
ハイマツ帯の中の岩ゴロ、切れ落ちた岩の細い道が次第に傾斜を増しながら続く
ここでも雷鳥の親子を見、それぞれ夢中でカメラを向けている。
種類の豊富なお花畑が広がりところどころ立ち止まっては戸頃さんが高山植物図鑑を紐解きながら、名前を教えてくれるので特に女性軍は十分満足して楽しめたのではないだろうか。

まさに
百花繚乱!!

天上の楽園を行くような趣
である。
コル(縦走路分岐点)から前岳を往復し、ガラガラの岩場を中岳(魚無河内岳)へ。
千枚岳まではここでも3000mの稜線だ
中岳の目の前には悪沢岳が大きく立ちはだかっている。
大きくジグザグに折れ曲がった登山道が中ほどでは切り立ったような岩場の中に隠れるように消えている。
100mほど下り悪沢岳へ登り返す
「胸突き八丁」というがここは「鼻突き」といった方がぴったりするくらいのしっかりと3点確保で登らなければならないような険しい登りが待っていた。
 
足元のあちらこちらに高山植物が咲き乱れ、岩場の怖さなど遥か彼方へ飛んでいってしまい、いつしか山頂に立っていた
昨日からのコース中の最高点に立ち感無量。
丸山(ダルマ山・悪沢の頭)への下りも険しい岩稜の連続
行く手に丸山が見えてくると登山道は穏やかになり名前の通り丸みを帯びたふっくらとした山が見えてくる。
丸山からハイマツ帯を下っていくとここでも雷鳥が餌を啄ばんでいる。

すぐに千枚岳への登りが始まりまたも厳しい岩場が出てくる
千枚もの岩が重なり合ってできた山ということらしい。
この山稜の中で唯一3000mに欠ける。
ここからはもう明日の下山口まで下る一方。
なんとなくホッとした気持ちになる。
20分も下った頃、これまでとは違ってシシウドやマルバダケブキなどに植生が変わってくると鶯の鳴き声に迎えられて千枚小屋にたどり着く。
3つの小屋とも比較的新しく、皇太子様の登山を機に立て直したものと思われる。
お蔭で気持ちよく過ごせて有難かった。
食事も今までに利用したどの小屋よりも美味しく十分満足だった。
◆8月 11日(土) 晴れ
迎えのバスの時間を考えて3:00起床
夕食時に受け取っておいた朝食の弁当を持って3:30出発
ヘッドランプの灯りを頼りに真っ暗い道を下っていく。
前夜降った雨に濡れて木の根も岩も滑りやすく。
気を抜かずに慎重に下る。

空は満点の星が下界では見られないような大きさで輝き上弦の月が東に淡く光っている
行程の半分を下ったところで朝食のおいなりさんを食べ再び下山。

沢の音が激しく聞こえ、下のほうに幅が広くなった川が見え出してくると
桟道を渡り次いで吊橋を渡ると滝見橋が左に見えてくる
程なくして、初日に登った鉄の階段のところに出てサワラ島ロッジに。

バスの時間までロッジのレストランに寄り生ビールで乾杯
駐車場では迎えのバスが渋滞のため遅れていて長い間待たされる。

バスの待ち時間地元駐在さんと山談義。

12時半過ぎに迎えのバスに乗り込む


畑薙第二ダムの近く、町営赤石温泉「白樺荘」で入浴と昼食
入場無料とはびっくり
山の大きさといい、懐の深さといい、さらに3泊4日の行程中ずっと好天に恵まれこんな素晴らしい山行ができたことは何という幸せであろうか。