わたしの山日記
 
北アルプス
下ノ廊下縦走

2007.10.21(日)〜10.23(火) 2泊3日

◆投稿者:小原 誠様
今回は予備知識もなく安易な気持ちで急遽参加させて頂いた。
一般の山行と違い貴重な体験をすることができた。
山登り、いや山下りと言った方がいいかもしれない。
◆10月 21日(日) 晴れ
朝8時結城市を発ち一路長野へと目指す。
高速を乗り継ぎ豊科へと。大町街道を北上。
常念岳、鹿島槍、白馬三山と後立山連峰は真っ白に雪を冠り冬支度です。
街道をはずれ色づき始めた山道を扇沢へと向かう。

午後2時トロリーバスで黒部ダムへ。
ダム湖の上の展望台へ。
好天に恵まれ白く輝く立山三山が錦の衣をまとい美しい山容を現していた。
ダム湖の上流には遠く赤牛岳。
下流には明日下山する黒部の谷。
紅葉も最高の見ごろ。
でもV字峡を見下ろすと何となく不安と期待で複雑な気持ちだ。
ダムサイトを通り針ノ木岳、スバリ岳を見上げながらロッジへ。
真っ白の山頂とそのすそに広がる紅葉が黒部湖に映え秋真っ盛り。美しい。
ひとっ風呂浴び食後は早めに就寝。
◆10月 22日(月) 晴れ
午前4時40分宿を出て満点の星空の下、北斗七星が前方に輝き行く先を示すかのように
(黒部川は北方へ流れる)東の空には明の明星が煌めき好天を約束してくれている。
ヘッドライトを頼りにダムサイトより一気に黒部の谷へと下る。

背後には不気味に見える黒部ダムが
左方の山を見上げるとうっすらと紅色に染まり始めた立山の山々が我々を見送ってくれている。
日電歩道(78年前開通)を仙人ダムまで16、6km下る。
初めは谷と歩道の高度差もなく進むにつれて肩幅くらいに道幅も狭くなり高度感も増してくる。
黒部の魔神南東壁が前に大きく広がる頃はようやく黒部の谷にも朝の光が届くようになり対岸の岸壁が限りなく続く一枚の屏風絵のように見事に秋の色に染まり一言では言い尽くせない美しさ。
しかし景色に見とれてばかりもいられない。
断崖絶壁をくり貫き細い丸太2、3本または靴幅ほどの狭い道を一本の針金(8番線くらい)を頼りに延々と進む。
スリルと恐怖を味わいながら黒部の谷の絶景を楽しみながら秘境下の廊下を歩く。
左右の岩壁より多くの滝が流れ落ち紅葉色に彩られた岩肌。一過ぎのアクセントをつけながら谷底へと。実に素晴らしい眺めだ。
白竜峡に差し掛かる頃には一段と谷との高度感が増し白濁した流れまたコバルトブルーに彩られた淵。
谷底へと吸い込まれそうな錯覚さえ覚える。
十字峡の吊橋を渡りS字峡へと。
川巾も少し広くなりゆっくりと流れている。
まもなく一気に下り長い東谷吊橋を渡り仙人ダムへ。
ホッと一息。通行可能な時季は1〜2ヶ月とのこと。
最高の気候に恵まれた。
人見平より高熱隊道を抜け登りに入る。
初めての登山らしい登り。
子1時間ほどで阿曽原温泉へ着く。
夕食はお替り自由のライスカレー美味しい。
今日も早めに床の中へ。一部屋に24名。多い。
楽しみにしていた露天風呂は工事中とのこと。残念。
一坪ほどの小さな風呂に10人で入って我慢する。
これも話のタネ。
◆10月 23日(火) 晴れ
4時起床。4時40分山小屋を発つ。
朝露を踏みながら高度を上げる。
標高1000mの水平歩道に入る。
昨日のコースより広くなり安心していたのはつかの間。
夜が明けるにつれ谷底が木々の間より見え隠れする。
対岸の景色は美しいが行く道先は断崖絶壁。
えぐりとって作られた難所には変わりはなかった。
豪快な滝美しい紅葉を堪能しながら足元に気を配り
葛折の狭い作業道を進む。
やがて見晴らしの良い大太鼓へ。
前方には奥鐘釣山の黒部三大岩壁黒部の怪人。
遠くにはケヤキ平。右下には今回最高のスリルを味わう垂直に落ちた黒部の谷底(高度差350m程)
一瞬足が竦む。
奥鐘釣山を廻り込むように歩む。
狭く暗いトンネルを抜け向かい側の岩場の紅葉を愛でながら秋を満喫し高度を下げケヤキ平へと長い道程だった。(34km位)
皆さん無事に下山することが出来た。
トロッコ電車に揺られ少し早い秋を感じながら宇奈月へ。
今回の登山は一般の山行と違いリーダー戸頃さんは大変に気苦労されたと思います。
安全第一に気配りして下さって楽しく歩くことが出来ました。
また参加された皆々様お疲れ様でした。
また何処かの山で会えることを夢みて。。。