わたしの山日記
 
北海道
大雪山旭岳〜トムラウシ山縦走

2009.7.5(日)〜7.8(水) 3泊4日

◆投稿者:勝田 孝平様
トムラウシ山を眺めて初めて心打たれたのは十勝岳からであった。

美瑛富士の頂上から北を見ると尾根の長いオプタテシケの彼方にひときわ高く荒々しい岩峰を牛の角のようにもたげたダイナミックな山がある。それがトムラウシであった。それは私の心を強く捕えた。あれに登らねばならぬ。私はそう決心した。深田久弥「日本百名山/トムラウシ」から
◆7月 5日(日) 晴れ
筑西各地〜羽田空港〜千歳空港・旭川天人峡温泉()
◆7月 6日(月) 晴れ

宿を出る頃は曇天であった。戸頃リーダーの「山の上は良い天気ですよ」という言葉に励まされて1日が始まる。

旭岳ロープウエイ駅から登山口の姿見駅へ。

ここから旭岳を目指す。旭岳とトムラウシを結ぶ表大雪縦走コースは花の名所である。

今回のツアーは5人が参加した。各人がデジカメでさっそく花の撮影を始める。チングルマとエゾノツガザクラ、エゾコガクラの大群落である。

旭岳まで約2時間半の登りを高山植物と左手遠方の雲の上に今回のツアーの主目的であるトムラウシが見える。

高度を上げるにつれて天候が良くなり、旭岳に着く頃にはトムラウシがその全容を現してくれた。

トムラウシを遠景に配しキバナシャクナゲの大群落を全員がカメラに収めた。

旭岳頂上直下の大雪渓を下り間宮岳へ向かう。

なだらかな砂礫帯のアップダウンを繰り返し間宮岳に到着。間宮岳と名前が付いているが丘陵のピークといった感じの山頂である。

北海岳へは左手に御鉢平を見ながら歩く。中岳や北鎮岳の残雪姿が美しい。北海岳から大雪山縦走コースにある黒岳(1984m)が近い。

白雲岳もお花の名所である。この山の登りがよい。花々の中砂礫帯を抜けるとお花畑の彼方にトムラウシの雄姿。

山頂直下は雪渓である。

登りは雪渓の縁をたどり岩をぬって進む。山頂からの眺めは1級である

旭岳と左の後旭岳の残雪によるまだら模様が美しい。下りは雪渓の上を通りあっという間に登山道の途中に抜ける事ができた。

この白雲岳の登りが思わぬ雪渓のお陰で変化のある印象的な登山となった。今日の山行の最後は雪渓を何度も越え白雲岳避難小屋への下りである。

夕食はリーダーの手作り料理で腹を満たす。

今日の行程

姿見駅―旭岳(2290m・百名山)−間宮岳(2185m)−北海岳(2149m)−白雲岳(2230m)−白雲避難小屋()

◆7月 7日(火) 晴れ
念願のトムラウシ山登頂―12時間余の長丁場

避難小屋で早い朝食小屋発415

残雪が朝日に輝きトムラウシが眩しいくらいだ。

1時間で高根が原。

左手が切れていてその縁を登山道が延びている。

雄大な高根が原と残雪のトムラウシをカメラに収める。

その先平ケ岳と呼ばれる砂礫帯にはコマクサの群落があった。まだ2分咲きくらいで満開なら素晴らしいだろう。

今日のコースの最大ポイント忠別岳。何といってもここからのトムラウシの景観が圧巻だ。この山は右手が怖いくらいに切れており高度感十分である。


忠別岳より

登山道がどう続くのだろうと思案しながらハイマツの覆いかぶさる道を五色岳に向かう。

この山に続く五色が原、沼の原は花の名所である。

途中キタキツネ出会う。

神遊びの庭と名付けられた所から化雲岳が近い。この山は本日ショートカット。

ヒサゴ沼分岐から先の岩と水と高山植物とでなる景観、日本庭園。

まさに大自然の造形の妙と言うか大岩を配した池などまだ半分残雪に埋もれているが面白い。

ここで幸運にもナキウサギを見かけることができた。これまでに見かけた小動物は他にキタキツネ、シマリスなどである。

トムラウシが近づいてきている。


ヒサゴ沼

手前の大丘陵への登山道は岩礫帯でペンキ印を頼りに進む。岩と岩の間をくぐり小石を跨いで進むのだ。

登山地図にある「霧発生時注意」に思わず納得する。

トムラウシ北沼の分岐。

ここから真直ぐにトムラウシへの登山道が延びているが今夜泊まる南沼キャンプ指定地を一旦目指す。

早朝からの長丁場で疲れているので足元に注意しながら歩く。

今日の山行の締めくくりはトムラウシ山頂への挑戦だ。
荷物はキャンプ場へ置いてきたとはいえ疲れはピークだ。
意識的にゆっくり登る。山頂に着く頃は天候は下り坂。ガスが下方から沸き上がってくる。

念願のトムラウシ山頂で記念撮影。トムラウシが最後に噴火したのが14万年前といわれる。山頂から見ると馬蹄形の火口跡がよく見て取れた。

今日のコースはリーダーの判断で変更。翌日悪天候が予想されるのと、宿泊予定のヒサゴ沼避難小屋がテントを持たないツアー登山で混むとの予想でキャンプ地を南沼にしたのだった。

この判断が幸してトムラウシ山登頂に成功したのである。

今日の日程

白雲岳避難小屋―高根が原―忠別岳(1962m)−五色岳(1868m)化雲岳分岐―ヒサゴ沼分岐―北沼分岐―南沼キャンプ指定地()

南沼―トムラウシ山(2141m・日本百名山)−南沼

◆7月 8日(水) 雨
午前3時半テント内で朝食。あたりはすっかり雨模様。雨具を装着して出発。

雪渓と岩礫帯を越えながら前トム平に向かう。小雨が降り始めていた。景色はほとんど見えない。

コマドリ沢の大雪渓ではアイゼンを装着し慎重に下る。途中雨がやみ雨具を脱いで歩く時もあったがまた振り出したりの繰り返し。

小雨の中をひたすら歩く。

カムイ天上と標識のあるところで小休憩。

カムイ=アイヌの神様。「神威」「神居」などの漢字を当てると辞典にある。ここから約1時間ほど下ると短縮コース登山口である。

楽しみにしていた下山後の入浴はトムラウシ温泉。東大雪荘。3日間の山行のフィナーレは本格的に降り始めた雨音を聞きながら露天風呂で十分に手足を伸ばすことができた。

最後になりますが今回のツアー同行の各位に感謝申し上げます。

今日の行程

南沼キャンプ指定地―前トム平―コマドリ沢―カムイ天上―短縮コース登山口

午後帰路につく。途中夕張市花畑牧場に寄る。